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道路にお辞儀

道路にお辞儀

 

箱根駅伝はわが家のお正月そのものです。今年も朝早くからテレビをかけっぱなしでした。そしてまた、今年もたくさんの感動をもらいました。

往路と復路の優勝が違うことはよくあることですが、今年は総合優勝も違う大学となり、ひときわ珍しい年だったように思います。

それでも、相変わらず心を打たれるのが、走り終わった選手が振り返って道路にお辞儀をする姿でした。ふらふらになりながらも、最後の力を振り絞って、今まで走ってきた道路にお辞儀をする。そして、力尽きたように倒れ込む。

選手によってその見えないお辞儀の先は違うのかもしれませんが、多くはこの大会を支えてくれた関係者やボランティアの方々だろうと想像しています。もちろんその気持ちは分かりますが、精魂尽き果てようとしている瞬間にお辞儀を忘れないというその心に感動しないわけにはいきません。

そしてまた、大学ではなく、実業団の駅伝になるとお辞儀をする選手が少なくなっていくことに寂しさを感じます。大人になることは大事なものを失っていくことなのかと、腕組みしてしまいそうになるのです。

 

 

平成31年(2019年)1月5日