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失敗はホタルの元(河北新報に掲載)

ホタルのあの光は、実は遺伝子のコピーミスで生まれたのだそうです。10月17日の本紙で知ったのですが、思わず笑いそうになりました。失敗は成功の元と言いますが、ホタルの光も失敗から生まれたというわけです。

詳しいことは分かりませんが、細胞分裂の際に、本来なら正確にコピーされるはずのある遺伝子が誤ってコピーされてしまったということのようです。それがきっかけとなって幻想的に光るホタルの誕生となり、私たちをも楽しませてくれるようになりました。失敗万歳とでも言いたいくらいです。

考えてみれば人間社会も同じようなところがあるかもしれません。ノーベル賞を受賞した科学者の中にも、大発見が実験の失敗からもたらされたということもあるようです。あのIPS細胞の山中伸弥教授も、「実験で予想外の結果が出ても、それにがっかりするのではなく、面白いと感じる好奇心が重要だ」という趣旨のことをおっしゃっています。

ひょっとしたら、失敗作で出来たホタルも「これはいい!」と思ったかもしれません。失敗を楽しみたい気分になれるよい記事でした。

 

平成30年10月30日