8年間ずっと着所寝
「キドコロ寝すっと風邪ひくど」とよく母に叱られたものです。冬はこたつで服を着たまま寝ることが多かったからです。
このキドコロ寝はてっきり方言だと思っていたのですが、正式な標準語だということを1月の本紙「デスク日誌」で知りました。漢字で書くと「着所寝」とのこと。そしてまた、江戸時代までは庶民の寝方は着所寝が一般的だったと知って、とても驚きました。母がこれを知っていたら、あまり叱らなかったかもしれません。
3月11日は東日本大震災から8年目を迎えた日でした。この8年間、被災したある方は、あの日以来布団で寝ることはしなくなったそうです。これはNHKのラジオで知りました。
余震が続く中で、いつでも飛び起きて対処できるようにするために着所寝が習慣化してしまったのでしょう。それにしても、8年も着所寝を続けていることに驚きました。
この方はいつまでこのような寝方をするのだろうかとも思いましたが、ある意味合理的でもあるので、いっそ私も江戸の庶民になってみようかなどとも思いました。
天国にいる母は許してくれるでしょうか。
平成31年3月12日
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